<パチモン画廊>

−5円引き怪獣カード編−

前項のアラスカトランプでもふれたのですが、パチモン怪獣の王道と言えばこの2社(本当に実在するかは不明です)
「ヨコプロ」「ヤマプロ」です。
さて一般的にはまったく役に立たないことですが、この2社にはけっこうメーカー差があります。

ヨコプロ…引用図版は写真が多く、また改竄ポイントが明確ながらクオリティは高いので人気がある(?)。
ヤマプロ…引用図版はイラストが多く、ヨコプロに比べてクオリティが低く、入手しやすい(小生もヤマプロの方が多いです)

※ カード図版はクリックすると、大きく表示されます。

ヨコプロ編

怪獣コラージュ編 -コンプリート-
大怪獣 ホワトス

まずはもっとも有名な1枚。
現在、諸般の事情で公開できないウルトラセブン12話登場は「スペル星人」の図版を改竄したもの。
とはいえ、オリジナル図版の残存率は、かなり低いです。
星人の目を鼻の穴にしてしまうセンスオブワンダーに、まずは脱帽しましょう。
大怪獣 サイハタリ

これも有名な1枚。
円谷特写スチール「ギガス」のポーズをかえて、ゴリラ面にすげ替えてます。
頭部以外はほとんどオリジナルという、いわば「パゴス→ネロンガ→ガボラ」の系譜ですね。
大怪獣 ダイゴラス

これも有名な1枚。
「エレキング」のシンボルたるツノを目にしてしまってますが、わたしも幼少期マルサンの人形で同じことをしてました(ツノをすぐに折ってしまう傍若無人ぷり)。
背びれを黒で統一しているあたりに、上品さがうかがえます。
大怪獣 ナッシュ

2体の怪獣がいるのに、名前は一つということで、これも有名ですね。
左側が「リッガー」で右側が「アギラー」なのは一目瞭然ですが、それにしても「リッガー」は立たなかったはずなのに、この元となったスチールはなんでしょう?
そっちの方が気になります。
大怪獣 カンジラス

もうなんと言いますか、赤塚不二夫まるだしな顔…。
おそらく元ネタは「ジャミラ」かと思いますが、ひょっとすると頭部は「バドー星人」かもしれません。
いや、もうそんなことはどーでもいいほど、おでんを持たせたい(笑)
大怪獣 ヤコブ

実に面白みのない「ジラース」そのまんまにみえますが、実は鳥足になってます。
しっぽも短いです。
それにしても「ゴジラ」というのは、色を変えたくらいでは個性を失わせられないんですね。
オリジナルの「ジラース」の苦労が忍ばれます…。
大怪獣 マジェリス

わたしの好きな1枚です。
ボディにウルトラファイト版「テレスドン(のちのデッドン)」をチョイスし、首が「ダリー」だからではなく、足下をきちんと樹木の向こう側に配置している芸の細かさがすきなんです。
大怪獣 バッタリ

これも有名な1枚ですね。
もはやハサミにしか原型をとどめていない「ゴドラ星人」と、仁王のごとき和が調和した「セブン」です。平成ウルトラマンの成田亨デザインから突き抜けられない一連のものより、わたしははるかに好きです。「ハヌマーン」と競演してほしいなぁ(絶対無理)
大怪獣 アイガン

これ、元ネタがわかりません。
体の蛇腹風に「ゴルドン」か?とも思いましたが…。
パチもん怪獣カードは、元ネタがわからないと一気に「つまらない1枚」になってしまいます(不遇)
大怪獣 アカスケロニ

そもそもパチ怪獣カードを集めようと思ったのが、この1枚。
左は「ジャミラ」右は「ギャンゴ」ですが、もう「ジャミラ」のはじけっぷりがたまらなくて(喜)
ネーミングの脱力具合もたまりませんし(笑)

  大怪獣 プラチ

これ、実は(C)表記がないのですが、傾向として「ヨコプロ」だろうと判断し、ここに入れました。
見ての通り限りなく「ウィンダム」そのまんまです。

(C)表記版を入手したので並べておきます。
色合いも違うのはパチゆえのクオリティコントロールなんででしょう(同じスキャナー使ってます)。
大怪獣 レッカカトリス

これは雑誌に載っていたのを見て一目惚れしたものの、ながらくホンモノに出会わなかった一枚です。
シャア専用ライクなメフュラス星人と鳥顔なイカルス星人という組み合わせは、アカスケロニに匹敵するほどインパクトがあります。好きな一枚です。
大怪獣 トンガ

見ての通り、南海な植物ライクにアレンジされたギエロン星獣です。
ものすごく目つきが悪く書き換えられていますが、本家の高山目の迫力には遠くおよびません。
大怪獣 ライゴン

ウルトラ作戦第1号なベムラーも、こんなに牙をのばされてしまっては威厳もへったくれもありません。一応、セイバー戦闘機が迎撃に出ている芸の細かさはありますが。
なかなか手に入れられなかった1枚です。

大怪獣 コドン

バニラに恐竜トラコドン(当然昭和の復元版)の首をくっつけて、むりやりな双頭怪獣に。
なにげにバニラの図版を傾けて重心のバランスを取っている芸の細かさは、残念ながら誰も指摘してくれません…。
大怪獣 スコロザウルス
大怪獣 コモン


二体それぞれの名前が表記されています。パチモン怪獣ブロマイドでは異例です。
くしくもわたしが最後に入手したヨコプロ怪獣コラージュ編で、偶然にも恐竜とのコラボになっています(ただの偶然)。

恐竜編
大恐竜 コリトザウルス

ヨコプロ恐竜シリーズ(勝手に命名)の一枚です。
写真素材の怪獣に比べ、格段におもしろさがありません。
恐竜と現代のもの(ここではクルーザー)の組み合わせは以降のシリーズ共通ですが、それでも単純なコラージュすぎて面白味に欠けます。

大海獣 チョッカク

アンモナイト系と潜水夫の組み合わせが珍妙ですが、それ以上のインパクトはありません。



大海獣 ムカシス

これも古生代の生き物と潜水艇のコラージュ。
名前からしてまったくやる気を感じさせない、ヨコプロらしからぬ手抜き仕事です。


大魚竜 ジプテス

潜水夫シリーズ第2弾(ウソ)です。
これはかなりショッキングな展開になってます。


大怪獣 プロトケラ

もはや完全なハズレカードです。
プつながりなのかまったく遠近感を無視したプテラノドンには、もはやなにも言うべき言葉が見あたりません。

大怪獣 トリケラトプス

適当な恐竜図鑑からの図版と実景の合成で、おもしろさはまったくありません。



大怪獣 ヘビルス

大迫力のアロサウルスですが、名前は一応オリジナル。
背景に黒煙が上がっているあたりに、ヘビルスの猛威が見受けられます。
恐竜シリーズでは秀逸なデキではないでしょうか?

大怪鳥 ジアトリマ

ソフビ化もされているメジャーな(?)パチ怪獣です。
構図も決まっており、ヘビルス同様いい仕事してます。
しかも名前が「大怪獣」ではなく、ちゃんと「大怪鳥」になっている細やかさ。
大怪獣 ネッシー

時代的にネッシーブームだったのでしょう。
どう見てもプレシオサウルスなのはこの際どうでもよく、、恐竜図鑑の図版そのまんまな気がしてなりません。

おまけ ファイト仮面
名称なし

「スペクトルマン」のパチです。このシリーズも複数出ていますが、こっちは集めませんでした。
たぶん何かのセットに紛れていたんだと思います。


怪獣世界一週 編

怪獣と世界の名所(の絵はがき…だと思います)のコラボレーション。
それが『怪獣世界一週(オリジナル表記のまま)』です。
平成10年4月刊白夜書房「ビンテージジャパン」によると14枚しか確認されていないとのことですが、雑誌未掲載でわたしの手元にあるものとアラスカトランプから推測すると、少なくとも18枚は存在すると思われます。
残念ながら正規のウルトラ5円引きブロマイドと違い情報が極端に少ないので、もしかするとまだ見ぬ19枚目の「怪獣世界一週」カードがあるかもしれません。

<06/8/14 追記>
長らくなぞだった「アラスカトランプ ハート9 バッハラー」のカードを発見、入手しました!
これで『怪獣世界一週』は18枚存在することが明らかになりました。

<07/7/22 追記>
パリーとアメリカ、入手しました。全18種そろいました。
参考資料 「ビンテージジャパン」 
       「GON! アラスカトランプ特集(切り抜きのため発売日不明)」
       「目で見る 駄菓子屋グッズ 大図鑑DX」

アラスカ ビンテージジャパン掲載

なぜかトランプ版では雪上車が消されています。
どんなこだわりだったのでしょうか??
元ネタはキングザウルス3世でしょうか? 首の部分が腕のように見え、とても不安なデザインです。
ニューヨーク ビンテージジャパン未掲載

ビンテージジャパンに掲載されず、GONでも「怪獣世界一週」カードとしてふれられなかった1枚です。
なんだか普通にヨコプロのカードにいそうな図版ですね。
ゴジラではなく、ジラースとガッパでしょうか?
アフリカ ビンテージジャパン未掲載

ついに発見しました。長らく謎だった1枚は、なんと「アフリカ」でした。
残念ながら、前の持ち主の落書きがありますが、まごうことなき「世界一週」シリーズの一枚です。
ザンボラーを無理矢理立たせた下半身は恐竜のものでしょうか?
H18.8.14記
アメリカ ビンテージジャパン掲載

なにげに構図の決まった1枚。
ヤツデのような手がすべてを吹き飛ばす破壊力をもっています。
せっかくのグドンが台無しです…。

ホンコン ビンテージジャパン掲載

GONによると、元ネタは「世界の怪獣」のゲークラだそうです。
どっちにしてもパッとしないネーミングですね…。

インド ビンテージジャパン掲載

元ネタ、わかりません(GONにも記述なし)。
構図が「モスクワ」にそっくりで、いつも間違えてしまいます。


メキシコ ビンテージジャパン掲載

アトラク用テレスドンもしくはデッドンの身体にレッドキングのオーバースケールな顔という強引な取り合わせは、実にヤマプロライクですね。

エジプト ビンテージジャパン掲載

約8年ぶりにえむぱい屋さんに行きまして、ようやく入手しました。
店主さんとお話したのですが、パチ怪獣サミット以降けっこう人気が出て、中でも世界一週シリーズは出回りが少ないそうです。
しかも最大のライバルがやはり唐沢なとき氏らしく今回も先を越されました…。ちなみに値段は1kでした。身体がツインテールですね、これ。
H18.6.10記
ロンドン ビンテージジャパン掲載

これもGONによると「世界の怪獣」のコクナク湖の怪獣だそうです。
湖の怪獣なのにおぼれているように見えるのは、気のせいでしょうか?

パリ ビンテージジャパン掲載

ゴルバゴスが強烈なたれ目になってパリに出現!
この図版、ながめていると見つめられている感が強くて、ちょっとコワイです。腹にラインが入っているように見えて、ひょっとしたらブルマァクあたりのミニソフビが原典かもしれません…。
ハワイ ビンテージジャパン掲載

先日、トレードにて入手しました。
町のパチ業者がここまでアバンギャルドなデザインをするとは思えないのですが、未開の部族による悪魔崇拝のごとき怪しすぎる空気感が漂ってます。

オランダ ビンテージジャパン未掲載

ビンテージジャパンには未掲載ですが、GONにはしっかり「怪獣世界一週 オランダ」との記述があります。
そのGONによると、左のあまりな怪獣はモグネチュードン(スペクトルマン)らしいのですが、どうみても深海に生息する未知のタツノオトシゴにしか見えません。

イタリー ビンテージジャパン未掲載

これもビンテージジャパンに掲載されず、GONでも「怪獣世界一週」カードとしてふれられなかった1枚です。
逆転の発想のツインテールをさらに逆転させるという荒技です。
ローマ ビンテージジャパン掲載

元ネタは、GONによるとマグマ大使のジキラだそうです。
ただわたし、ジキラ自体を知らないので…。

モスクワ ビンテージジャパン掲載

GONに記述はないのですが、これも「世界の怪獣」あたりが出典もとじゃないでしょうか?
亀の甲羅に竜のような顔立ちなので、きっと中国奥地に伝わる伝説の聖獣とか。
むしろもろに「玄武」かもしれないですね。
でも、出現場所はモスクワ…。

ロンドン ビンテージジャパン掲載

同じ国が二つあるならまだしも、同じ都市じゃないですか!
きっと、キャバレー・ロンドンに足繁く通ったから、とっさに思いついたのがロンドンだった、とかそんなオチだと思います…。

アメリカ ビンテージジャパン掲載 

三葉虫にゾウガメの頭と前足。このアイディアは屈指のすばらしさです。一方の抱きつかれている怪獣はネズバードンとのことですが、わたしにはわかりませんでした…。それほどゾウガメの頭がすべてを持っていってしまってます。
アフリカ ビンテージジャパン掲載

なぜかアラスカトランプに流用されなかった1枚です。
サドラーに気持ちグドンをミックスし奇跡的に上品にまとまった、そんな偶発性を感じます。

存在せず

−TOPページにもどる−

inserted by FC2 system