<パチモン画廊>

あまり知られていませんがヨコプロヤマプロ、そしてエスプロの他にも、5円引きブロマイドサイズでパチカードが存在します。
ひとつは今回紹介する「サクラ」製。もう一つは「新怪獣ブロマイド(メーカー不詳)」です。
巨匠小松崎茂画伯のイラストも神々しい「サクラ」に比べて、あまりにお粗末すぎる「新怪獣ブロマイド」は、紹介するのもはばかられるほどのデキ。 注)小松崎画伯ではありませんでした。残念!
パチモン好きにとって有名な『原爆ドームとオーム貝』や『空飛ぶクロネコ』など、数年前、未開封品を手に入れてひとつひとつ開封するたびにため息しかでないものでした。

<07/11/4 追記>
イワタプロ大怪獣」も数がそろってきたので公開しました。
美大系(色遣いがあまりにアバンギャルドなので、勝手に命名しました)で、その強烈な色遣いをとくとご堪能ください。
みうらじゅん氏の言い方にならうならば「イワタプロは”くる”ね」です。
パチ怪獣ブロマイドのバイブル的存在「目で見る駄菓子屋グッズ 大図鑑DX」の紹介では18枚とされていますが、「新怪獣ブロマイド」の図版が2枚混じっており、実際は16枚と思われます。
もしくは「新怪獣ブロマイド」と「イワタプロ大怪獣」は同一メーカーで、その際に足りていない分を前作から流用した、と考えるのが妥当でしょう。

サクラ編

ヤフーブログ「プラモが好き」のnandemoplamo様のご好意により、プラモデル版のパッケージ写真を転載させていただきました(右の図版がプラモ版です)。
ぶしつけなお願いにもかかわらず転載許可を快諾してくださり、ありがとうございました。
他にもすばらしきB級プラモたちがたくさん公開されていますので、是非ご覧になってください。
                  ヤフーブログ「プラモが好き」のnandemoplamo様
-6種 コンプリート-
大怪獣勢揃いブロマイド タグ

タグに貼られているカードが「あたり」です。
一見、普通の5円引き怪獣ブロマイドですが、以下に紹介する6枚しか存在しません…。
タグの状態で大人買いすると、壮絶にダブリまくります。
あたりカード

あからさまにミラーマンや怪獣が公害ものということで、発売された時期は確実に第2次怪獣ブーム(70年代)ではないでしょうか。
カードの表面には「あたり」とおぼしきものはありませんが、裏返すとこうなっています

ちなみにあたりが出ると、もう一度引けるだけでカードフォルダはありません。
公害怪獣 ヘドロ

わたしが最初に出会ったサクラカードです。素人目に見ても「小松崎茂画伯(訂正 別人だそうです)」であることがわかる重厚なタッチ。名前はそのまんまですが、ヘドラとは似て非なる体躯がすばらしいです。
当然、他のカードの図版に思いを馳せたのですが、現物に出会うまではずいぶんと時間がかかりました。
<追記>
プラモデル版はアリイ版です。これは初見でした。
イッコーモケイ版では「恐怖のバルデン星人」という別名称です。
公害怪獣 スモガ

ヘドロの次は「スモッグ」ということなのでしょう。
あたりカードに使われていますが、「ヘドロ」や「ギャオー」に比べて、いまひとつあか抜けないデザインなのが残念です。かなりカニっぽいのもその原因かもしれません。
<追記>
プラモデル版は貴重なイッコーモケイ版です。
公害怪獣 ギャオー

ひょっとこ口なのに、このかっこよさ。小松崎タッチも相まって、すばらしい存在感、そしてデザインです。
<追記>
プラモデル版はアリイ版です。これは初見でした。
イッコーモケイ版では「恐怖のギラン星人」という別名称です。
海洋怪獣 ラドゴン

いきなりのモロです。名前も姿も設定も、他人のそら似では済まないほどです。図版の迫力から、ひょっとすると正規の怪獣図鑑に掲載されたものなのでは?と思いたくなるほどですが、真偽のほどはさだかではありません。
<追記>
「プラモが好き」のnandemoplamo様によると、中身のプラモはマルサンのミニ怪獣だそうで、ようするに本家の中身に、限りなく本家に似た外観のパッケージをつけたということが真相のようです。
冷凍怪獣 ゴメラ

いったいどうしたのでしょうか…。
パチ業界では、なぜかギガスがフィーチャーされることが多いですが、ここまで似ているのはどうなのでしょう。
相棒のキングザウルス3世(でしょ?)のポーズも変です。
冷凍怪獣 ペギラス

3枚しかないのに2体が「冷凍怪獣」です。
ラドゴンと同じく、ひねりもなにもあったもんじゃないそのまんまっぷりです。
一応、ゲストでゲスラも顔を出しています。

新怪獣ブロマイド編

-20種 コンプリート-
新怪獣ブロマイド タグ

10年ほど前、上野のアメ横の駄菓子やにて発見、狂喜乱舞してタグごと購入した一品です。昭和グッズが乱雑に店頭に並ぶその店は、商魂たくましく定価販売は行わず、すでにこんなパチモンにもプレミアがついていました。
2000円はしなかったと思いますが、帰りの車中はうれしくてうれしくて…。
ところが、まぁ以下のラインナップをご覧いただければわかると思います。
タグ 裏表紙

メーカー名はまったくありません。
ヨコプロでもヤマプロでもエスプロでもありません。
奇妙なバラの図版があるだけです。
『バラプロ』でも呼びましょうか…。
おそらくコンプしてます。ダブった分は処分しました。
名称なし

「新怪獣ブロマイド」で最も有名な一枚。
ビンテージジャパンにも掲載されました。

あらゆる怪獣が避けて通った皇居とならぶ建造物、原爆ドームにオーム貝。
タブーという言葉がこれほど無力に思える一枚もありません。
名称なし

「新怪獣ブロマイド」は大きく分けて『恐竜もの』と『SFもの』、そして『巨大化もの』があります。まずは無難な『恐竜もの』から行きましょう。

…と言いながら、これは『SFもの』かもしれませんね。手前はいったいなんでしょうか?
名称なし

昭和解釈なトラコドンですね。
比較的まともにドラマを感じますが、なんせトラコドン自体が草食なので、いじめられているようにしか見えません。
名称なし

これも昭和解釈なイグアノドンです。

ここまで見てきてお気づきになられたでしょうか?
この「新怪獣ブロマイド」は、炎を吐くくらいしか加筆していません。
ただコラージュして「火を噴けば怪獣だろ」なやっつけっぷりしか感じません。
名称なし

ティラノサウルスとプレシオサウルスの夢の対決。タグの表紙にも使われています。
大迫力ですが、それは恐竜図鑑を描いた人のおかげです。
名称なし

もはや、ここまでやっつけだと言葉もありません。
ケラトサウルスが城を攻撃しているだけではダメだったんでしょうか。
名称なし

遠景のステゴサウルスはいったい身長何メートルなんでしょうか。
おそらく氷河期の恐竜図版を使用したのでしょう。
名称なし

見覚えのある1枚。ヨコプロのこれと同じ元図版です。
名称なし

これも中途半端な1枚。噛みつかれたブラキオサウルスの身体はどこにあるんでしょう?というツッコミは、この際どーでもいいです。
名称なし

ヤケクソ。この言葉がこれほどまでに似合うカードがあったでしょうか?
国会議事堂にタンカー、そして古代魚。
ヨコプロのこれと同じ元図版ですね。

名称なし

ここから『SFもの』です。なんとなくヤマプロテイストな怪獣。
とりあえず遠景に富士山風の山。
名称なし

つい先日ヤフオクにて元図版が掲載された雑誌が出品されていました。
海洋モンスターという設定で、まったく同一図版でした。
名称なし

たぶんこれは50年代のBEMの一体でしょう。
なんとなく水木しげるな香りがするのは、合成された背景の印象からでしょうか?
名称なし

これも有名なSFイラストから拝借したものです。
手前を横切るのは、原潜シービュー号でしょうか?
名称なし

『巨大化もの』のようにも見えますが、体色が金色なところから、伝説の鳥かなにかだと思います。鳥に隠れて見えませんが、サーチライトに照らされた上空の巨大な何かの方がよっぽど気になります。
名称なし

ここから『巨大化もの』です。
もう恐竜図鑑からの切り抜きも出尽くしたのか、昆虫図鑑に目を向けたようです。
なかなかの迫力でヤフオクでも良く目にしますが、喜ぶ子供の顔を想像して手に入れても失笑されるのがオチ、そんな1枚です。

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ロケットの秘密とか、そんな感じの図鑑からいただいた背景に、なんとミツバチ。
たっぷりと密を蓄えた後足が、いっそう切なくさせてくれます。
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クロネコヤマトのイメージキャラ…ではありません。
翼が生えていることから、これもその手の図鑑からいただいたものかもしれません。
名称なし

リゾートホテルとゴリラ。
やはりイメージソースは、キングコングでしょうか。
まったくスケール感があっていないのに、ゴリラの猛威を表す黄色の爆発が、「図版の合成には必ず一筆入れる」意地だったのかもしれません。

名称なし

最後はなんとゾウです。
凱旋門が大変なことになっています。
絵的にまとまっているので、美術館に飾られてもおかしくない雰囲気です。


イワタプロ大怪獣編

「イワタプロ大怪獣」ではその図版に微妙な系統立てができます。
まず「お城シリーズ」。城など歴史建造物の写真が背景に使われているもの。
「受難シリーズ」。アメコミタッチの人間がなんだかえらい目に遭ってます。
「VS恐竜シリーズ」。おもにティラノサウルスですが、なにかと戦ってます。
「未分類」。どれにも属さない孤高な存在です。
-16種 コンプリート-
名称なし

まず「お城シリーズ」から1枚。
あろうことかトラ猫に蝶の羽が生えています(ついでに角も)。
毛並みの再現度が高く、それゆえに巨大感がまるで出ていません。
写真の向きが違っていれば、次の緑ガイコツと対になった名作たりえたのに残念です。
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パチ怪獣のソフビは、ひそかにドクロブームですが、間違いなくこれも立体化されるでしょう。これは来ます!きっと…。間違いなくいい図版です。
その際、グリーン・スカルとかイカス名前がつくでしょう。
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プテラノドンですが、その色遣いに注目です。
これは美大生のてによるものに違いありません。
恐竜に黄色やピンクを使えるのは、その筋で訓練を受けたものしかできない発想です。
下手の一言で片付けられない気迫があります。
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「受難シリーズ」の1枚です。
背景のまばゆいばかりのオレンジにシルエットの建物がすばらしすぎます。
イワタプロ大怪獣はどれも色遣いが強烈で、まじめな話とても勉強になります。
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コラージュのようですが、ここまでタッチを統一できるわけがありません。
手前の人物から背景の山までの流れるような構図が見事です。
「絵で食ってくにはこれしかないんだ!」叫びが聞こえてきそうです。
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「VS恐竜シリーズ」からの1枚。
打って変わってコラージュ感バリバリです。
1枚あたりに時間をかけすぎて印刷所の長に「こんなもん、貼り合わせでいいんだよ!」とどやされ、せめてもの意地でピンクとオレンジを使った、そんな背景が見えてきそうです。
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もはや彼にはなにも残されていなかった、そんな1枚です。
おそらく彼が最後に手がけた1枚でしょう。
やる気がまるで感じられません。
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これも末期の1枚と推測されます。
マイティジャックを大胆にそのままあしらったのは、彫刻家成田亨へのあこがれとひがみの葛藤からでしょうか?
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おそらく初期の1枚。
前記の「駄菓子屋グッズ大図鑑DX」では縦置きの小さな図版だったので、いったい何が描かれているのかまったくわからなかったのですが、これはもはやアートの領域です。
額に入れて美術館に飾られていてもおかしくない一品です。あまりに前衛的です。
間違いなくこどもがこれを引いたらそのままゴミ箱直行でしょう。よく現存していました。
名称なし

これも来ます! ソフビものにはたまらない一つ目、そしてゴリラ体型。
もはや冬のワンフェス(08年冬)にはきっといます。
これも初期の1枚でしょう。筆がのってます。
わたしも好きな1枚です。

名称なし <NEW>

昭和復元のトラコドンですが、なんと頭の上にとってつけたようなトサカとツノがあります!
なんの変哲もない恐竜コラージュですが、イワタプロには独特の味わいがあり、それが安っぽさを感じさせません。

名称なし <NEW>

ジアトリマですが、なぞのツノから怪光線を放っています。
おそらくヨコプロの一枚と同じ図版から拝借したのでしょう。
しかし迫力ではこちがら大きく勝っています。
またしてもなぞのピンクを城のバックに配するあたりに美大系センスを醸し出しています。

名称なし <NEW>

これは恐ろしい! ワニ男とでもいうのでしょうか。
もともとはゴリラ男のような頭髪と耳がありますが、そんなことどうでもいいくらいのど迫力です。
太った体躯に伸びきったサスペンダーの描写がグッと来ます。

名称なし <NEW>

ずいぶんとおめめぱっちりなネロンガですが、そのカラーリングには目を見張るものがあります。
はたして左の黄色の帯とピンクの爆発のようなものは、なにを意味するのでしょうか?
もはや常人には理解できない現代アートの香りがします。

名称なし <NEW>

これは完全にジュラシックパークの先取りです。
描き込まれた搭乗者の鬼気迫る表情がドラマを感じさせてくれます。
身体の模様からこれはアロサウルスのようですね。
アメリカのレスラーが好む幾何学模様のタトゥーに見えてかっこいいです。

名称なし <NEW>

最後の一枚は和風テイストでしめてみました。炎をまとった緑の魔神。補色の色合いが決まっています。

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